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回折格子型とフーリエ変換型について

回折格子型とフーリエ変換型について

 

近赤外分析装置は、その構造上回折格子型(grating monochromater/ 以下grating)とフーリエ変換型(FT- NIR)に大きく分けることができる。他にフィルタータイプや音響光学素子等もあるが、現状でそれらは代表的とは言えない。

FT- NIRはgratingに比べ新しい技術と思っている人が意外と多い。 FT- NIRの元になる技術はFT-IRであり、それらを代表するのはマイケルソン干渉計と言えよう。米国のアルバート・アブラハム・マイケルソンは、1887年(明治20年)に自らの名を冠したマイケルソン干渉計を開発した。その後、1960年代になり有機化合物の同定機として商品化されたが、非破壊測定可能なFT-NIRはその延長線上にある技術と言えよう。従ってその技術的な特徴は、定量よりも判別測定に向いている。それについては後述する。

The concept of the Michelson
Interferometer was developed by
Albert Abraham Michelson
in 1887. He was the first
American ever to receive the
Novel Prize in the sciences
(Physics prize in 1907).

Gratingについては、1950年代に光学式回転エンコーダーの概念は生まれていたが、1980年代までは完成品はできなかった。1986年 にアメリカで特許として認められてから、大きく舵をきって進化した。(The first US Patent for Optical Rotary Encoders was issued to Nakamura, et al. on June 3, 1986(U. S. Patent No. 4,593,269). Since this time 29 other U.S. Patents have been issued to enhance this technology.)

Unity 社のスペクトラスターは、これら最新の技術を採用し自社でも特許を有するgrating で、比類のない正確性、再現性、堅牢性を実現している。

次に、定量の際に最も重要なSN比(signal to noise ratio)について比べてみる。

Gratingを採用したスペクトラスターのSN比は20μAbsで50000:1、対してFT- NIRのSN比は、A社が10000:1、B社が1000:1であり、はるかにスペクトラスターが優れている。

冒頭、FT- NIRが定量よりも判別に向いていると記したのは、このことを指している。

一部の人からFT- NIRは分解能が高くgratingは低いと聞くことがある。

例えば、象を撮るのに顕微鏡とカメラのどちらが適しているかは自明である。

対象サンプルの有効成分を近赤外計で測定するには、 0.5nmのFTの分解能は象を顕微鏡で見るが如くである。ブロードしたNIR 特有のスペクトルを用いる定量には、分解能ではなく吸光度 の精度や正確性が重要なのである。

紙面の関係上、続きは次回に委ねたい。

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