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流れ分析JIS原案作成委員の活動を終えて

ビーエルテックニュース

流れ分析JIS原案作成委員の活動を終えて

株式会社 日本総合科学 熊澤 頼博

当社は昭和47年、株式会社福山臨床検査センター(広島県福山市 昭和42年創業)内において、環境衛生検査所として誕生しました。これは当時最大の社会的課題でありました公害問題に官民挙げて取り組む中、地方の民間企業として、地域社会への奉仕に力点を置いた対応でした。

その後昭和62年、株式会社日本総合科学を設立し、環境専門として福山臨床検査センターから分離独立し現在に至っています。 当社は福山臨床検査センター時代からオートアナライザーを使用しており、流れ分析法による水質試験方法JIS K 0170の原案作成の際は、ユーザーの立場より参加させていただきました。

平成19年9月より社団法人 日本環境測定分析協会を事務局として「自動吸光光度法標準化検討委員会」が自主事業として設立されました。平成20年12月からは「流れ分析法による水質試験方法」 JIS原案作成委員として、私も微力ながら流れ分析のJIS化に伴う原案作成の委員会に参加させていただきました。そこでは、著名な先生方と共に業務共有できる、大変有意義な経験をすることができました。

ビーエルテック社が推奨するCFA分析メソッドは、流れ分析の長い歴史より培われた堅牢性の高い、完成されたメソッドであると認 識しております。しかし、流れ分析法のJIS化は、告示法に取り入れられることを視野に入れております。そこで、現在の告示法であるJIS K 0102との照合性を取るため、流れ分析の結果に影響を与えず分析手法の堅牢性を損なうことがない範囲内で、使用試薬をJIS K 0102に近づけました。また、試料のサンプリング容器や保存規定についても、可能な限りJIS K 0102と同様にしました。そのため、以前よりビーエルテック社の推奨メソッドをご使用のユーザーからは、若干の違和感がある内容となっているのかもしれません。

また、JIS K 0170は9部で構成されておりますので、委員会で共通事項の内容変更が決定されれば、9部全ての関係する内容を変更する必要があります。私は変更された文章の校正を担当しておりましたので、大切な原案の内容を間違えて修正しないよう留意し校正を行いました。今でこそ言えるのですが、原案作成や校正の重圧は大変なもので、原案が日本規格協会に受理された時は、肩の荷が下りた思いでホッとしたことを覚えております。

流れ分析法がJIS K 0170として規格化されることにより、環境分析における流れ分析法の更なる周知が加速されることが期待されます。これまで発表された技術資料等からも、公定法と流れ分析法の高い相関性は確認されております。今後、より早い時期に流れ分析が告示法に取り入れられることを嘱望しております。

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