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採取された試料の保存処理について

オートアナライザーワンポイントアドバイス

採取された試料の保存処理について

 

JIS K 0102では、「試験は、特に断らない限り試料採取後直ちに行う。直ちに試験ができずに保存する場合は、JIS K0094の7.(試料の保存処理)に従って行い、なるべく早く試験する。」との記載があります。ビーエルテックニュースでは今までに、海水試料の保存についての注意点を幾つか掲載いたしましたが、同様に他の排水試料についても注意が必要です。

オートアナライザーをご使用頂いて測定中に、試料の急激な変化 (測定値の変動)がユーザー様からの報告でわかりました。オートアナライザーは同一試料を繰り返して測定することが容易ですので、この様な現象(試料の時系列的な劣化)を見つけ出すことができます。分析精度を高めるために試料の取り扱いや保存方法にも注意が必要です。

(例)フェノール類(phenol)測定と試料の保存

フェノール類はフェノール分解菌によって分解されやすく、また、酸化性物質、還元性物質、アルカリなどの作用も受けやすいので、試験は試料採取後直ちに行う。直ちに行えない場合は、JIS K 0102 3.3の方法により、試料にリン酸を加えてpHを約4にし、試料1Lに つき硫酸銅(Ⅱ)五水和物1gを加えて振り混ぜ、0~10℃の暗所に保存し、出来るだけ早く試験する。(JIS K 0102 3.3)

特に工場排水にはフェノール分解菌が含まれる可能性が高いといわれています。採取してきた試料は適切な処理が必要となります。

ビーエルテック株式会社 技術部

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