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近赤外分光法の定性分析への応用

近赤外分光法の定性分析への応用

はじめに

近赤外分光法(以下、近赤外)は、1960年代に小麦のタンパク質の定量分析に適用されました。このとき2つの波長の吸光度を用いて多変量の検量線を作成したのが、その後のケモメトリックスの発展につながっています。
その後近赤外は、農業・食品・化学・高分子・製薬と幅広い分野の品質管理・品質保証に活用されています。

近赤外を用いた定性分析

従来の近赤外の応用としては、小麦粉の水分・タンパク質・灰分の定量分析に代表されるように、サンプル中の特定の成分の定量分析が主要な応用事例でした。
定量分析では検量線を計算する必要がありますが、ケモメトリックスを用いた検量線を作成するには、多くのサンプルを収集し、そのリファレンス値(従来分析による成分値)を測定する手間がユーザーの負荷になります。また製品のレシピや製造法が変わったり、新しい品種が出るたびに、検量線の補正・作成が必要になります。
品質保証では各成分の分析値(近赤外では予測値)が必要となりますが、工程管理で製品がレシピ通りできているか、簡単に確認する目的であれば、検量線を作成せずとも定性的な評価で十分な場合があります。
ここではホットケーキミックスを例に、定性分析の応用事例についてご紹介いたします。
市販のホットケーキミックスに、砂糖、ベーキングパウダー、薄力粉を少量添加したサンプルの拡散反射スペクトルを測定します。

ミックス粉と各成分添加の二次微分スペクトル
図1.ミックス粉(緑)と各成分添加(青)の二次微分スペクトル

スペクトルに微分や正規化を施すと、ミックス粉と砂糖、ベーキングパウダー、薄力粉(希釈)を添加したサンプルでは、各々に特徴的なピークが現れます。
これらのスペクトルを、ケモメトリックスの一手法である主成分分析すると、元のミックス粉と各成分を添加したデータが明確に分離します。

主成分分析のプロット

図2.主成分分析のプロット(楕円とキャプションは追記)

製品を数十サンプル測定し、規格外のサンプルも数点測定し、[解析]-[定性分析]機能で定性分析メソッドを作成します。このとき製品が正常(True Positive)、規格外品が異常(True Negative)と判定されるようにスペクトル処理や波長範囲を選択します。
計算された定性分析メソッド(QVF)をUScanソフトウェアのメソッド設定で選択します。

日常分析では、プロダクトを選択してスペクトルを測定すると、合否判定の結果が表示されます。

例えば、製造ラインで砂糖のラインが詰まり、規格の砂糖が含有されていない場合でも、迅速に発見することができ未然にロットアウトを防ぐことが可能です。定性分析にご興味をお持ちいただきましたユーザー様はお気軽にお問い合わせください。

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