株式会社産業分析センターの業務内容について

株式会社産業分析センター
材料分析課 吉田 貴則

当社は千住金属工業株式会社の化学分析部門として出発しました。その後、非鉄金属分析と環境分析サービスを提供する会社として1972年2月に設立されました。現在は、非鉄金属分析、環境分析、工業製品の規制物質分析や材料
分析などを業務として行っています。この中でも特に非鉄金属分析については、会社としての設立以前から続く70年以上の経験と実績を持っています。

当社が行っている非鉄金属分析のほとんどは製品の品質や安全を守るための出荷分析なので、迅速に信頼性の高い分析をすることが求められます。一方で、分析のコストを抑え、省力化もしなければなりません。この分野の現在の検体
数は、年間約15万検体程ありますが、この多量の検体をお客様のご要望に合わせた品質で分析するために、当社では各工程の自動化や効率化を進めてきました。自動化の取り組みの一つがビーエルテック株式会社の全自動前処理装置、
『D E E N A 』の導入です。『DEENA』は複数の試薬の添加量と昇温条件を設定することができるので、当社のノウハウと組み合わせれば、様々な材質の試料を自動で溶解することができます。それにより分析者の負担が減り、品質管理のために使う時間を増やすことができます。

また、環境分析の分野では、『オートアナライザー』を導入することで分析工程の効率化を図っています。現在当社で運用している『オートアナライザー』は、オートシャットダウンモジュールを取り付けることにより、更なる分析工程の効率化と、試薬消費量の削減を行っています。試薬消費量の削減は分析コストを抑える意味もありますが、SDGsのターゲットの一つである化学物質の排出量削減にも寄与するので、CSRの観点からも重要視しています。
近年では、工業製品に対する化学物質規制の強化や、不純物管理の要求が高まっていることを受け、それに応えるための分析にも力を入れています。工業製品の規制物質分析の分野では、RoHS指令の制限対象となっている全10物
質についてISO17025認定を受けています。また、ストックホルム条約で付属書A(廃絶)に追加されたPFOAについてはppbオーダーでの分析を行っています。

材料分析の分野では最新鋭のOrbitrap LC/MSを使用した分析サービスを開始しています。当社で導入したOrbitrap LC/MSは、極めて高い分解能の質量分析と最大10回までの多段階MS測定をすることができる分析装置です。それにより、これまでは分析することが困難であった、工業製品中の不純物や製造過程の副生成物など、非意図的に含有する未知の有機化合物についても分析及び構造解析ができるようになりました。

当社の基本方針の一つに『最大となるより最良となることを目指す』というものがあります。当社が社会のニーズに応え、『最良』の分析会社を目指すためには、日々の業務の中で品質管理や技術の研鑽を続けることはもちろん重要です
が、時代に合わせた分析装置を導入することも同じように重要です。 今後も分析装置メーカーと分析会社が相互に協力し、事業を継続していくことで、社会の安全と安心を守る一助となれれば良いと考えております。